就業規則作成の必要性とメリット

2019.10.17

就業規則とは

就業規則は事業場における労働者の賃金や就業時間などの労働条件や、事業場内のルールを定めた規則集です。賃金規定やパートタイム就業規則などを付属規程として別に分ける場合もあります。また、支社や営業所など複数の事業場がある場合には、その事業場ごとに作成する必要があります。

常時10人以上の労働者を使用している事業場では、就業規則の作成義務がありますが、常時10人未満であっても就業規則を作成することで職場のトラブル防止や円滑な事業運営に繋がります。なお、この常時使用する10人という人数にはパートやアルバイトなどの短時間就労の労働者も含みます。

 

就業規則の記載事項

就業規則には必ず記載しなければならない絶対的必要記載事項と、定めがある場合に記載しなければならない相対的必要記載事項があります(労基法第89条)。

<絶対的必要記載事項>
・始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇 並びに交替制の場合には就業時転換に関する事項
・賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の 締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
・退職に関する事項(解雇の事由を含む)

<相対的必要記載事項>
・退職手当に関する事項
・臨時の賃金(賞与)、最低賃金額に関する事項
・食費、作業用品などの負担に関する事項
・安全衛生に関する事項
・職業訓練に関する事項
・災害補償、業務外の傷病扶助に関する事項
・表彰、制裁に関する事項
・その他全労働者に適用される事項

 

就業規則の要件

就業規則は作成するだけではその要件を満たしません(労基法第89条、第90条)。

・過半数組合または労働者の過半数代表者からの意見聴取
・所轄労働基準監督署への届出
・労働者への周知

労働者の過半数代表は使用者の指名等を受けず、挙手や話し合いにより選出されることが必要です。代表者は意見書を作成し、署名します。この意見は就業規則の内容に反対する意見でも構いません。また、労働者への周知は各事業場で見やすい場所への掲示や備え付け、書面交付や、社内ポータルサイト内での公開など、労働者が常時閲覧できるようにしなければなりません(労基法第106条)。

 

就業規則の効力

効力の優先順位は以下のようになります。

法令>労働協約>就業規則>労働契約
※労働協約とは、労働組合がある事業場で労働組合と使用者で締結された労働条件に関する取り決めです。

就業規則に定める基準に達しない労働条件を定める労働契約はその部分については無効となり、就業規則で定めた基準が適用されます(労基法第93条、労契法第12条)。

 

就業規則作成のすすめ

冒頭でも書きましたが、就業規則は事業場内のルールを定めた規則集です。作成義務が無い小規模な事業場であっても、ルールを明文化することのメリットは大変大きいと考えます。労働者にどのように働いてもらいたいか、どのような働き方を評価しているのかを周知することで、職場の文化や理念を浸透させる役割を持たせることができます。また、すでに作成していても、誰の目にも止まらない場所にしまってある規則では意味がありません。法改正対応だけでなく、就業規則が現在の職場の働き方に合っているか、事業運営の役に立っているかを定期的に見直してみてはいかがでしょうか。

弊所では就業規則作成や変更のお手伝いをしております。有給休暇の年5日取得義務化に伴う計画年休条項の追加やテレワーク勤務規程、ボランティア休暇規程の作成など、職場に合わせた就業規則の作成を支援しております。また、労働基準監督署への届出も電子申請の利用が可能になりましたので、迅速な届出対応が可能です。