健康経営と働き方改革
2019.09.20
皆さんは「健康経営」という言葉をご存じでしょうか。
弊所ウェブサイトのトップ画像にもキーワードとして記載しているのですが、まだまだ一般的な認知度は高くないと感じています。
そもそも、健康経営とは何なのか。
健康経営の普及活動をしている特定非営利活動法人健康経営研究会によると、「健康経営とは、「企業が従業員の健康に配慮することによって、経営面においても 大きな成果が期待できる」との基盤に立って、健康管理を経営的視点から考え、 戦略的に実践することを意味しています。」と説明しています。
具体的には、従業員の健康の維持増進に係る支出を投資として捉え、そのリターンとして従業員の生産性や定着率、エンゲージメントの向上、企業イメージのアップや採用戦略などに生かそうという考え方です。
元々は公的医療保険制度が整っていなかったアメリカで、企業が負担する従業員の医療費を軽減する目的で発展してきたとされています。
日本においては協会けんぽや健康保険組合などが従業員の健康管理に重要な役割を持っていますので、健康経営においても支援活動の他にも医療情報の提供など中心的な役割を果たしています。
さらに、経済産業省と東京証券取引所では優れた健康経営を実践している企業として「健康経営銘柄」の選定や「健康経営優良法人認定制度」の創設などを行っています。これは、社会的な評価ということだけでなく、選定企業や認定企業はその他の企業に比べて業績の向上や株価の上昇が期待できるとされています。なお、「健康経営優良法人認定制度」については未上場の中小企業も認定される仕組みとなっています。
認定を目指すことを目標としなくとも、従業員の健康管理や職場の環境改善、働き方の改善などの視点で取り組むことで、健康経営の効果を期待することも可能です。無料の公的サービスの利用など小さな一歩やスモールチェンジからスタートすることで、無理なく継続的に実践することが肝要です。
実は健康経営で実践するポイントには、働き方改革に関する事項と重複する部分も多くあります。ただ法改正に対応するというだけでなく、健康経営の実践という視点から働き方改革に取り組むのも、ひとつのアプローチ方法だと思います。
後ろ向きではなく、前向きな取り組みで職場環境の改善を目指すきっかけにしてみてはいかがでしょうか。